AKG Y23U レビュー

K323 XSとの関係

AKGがインイヤーヘッドフォン(イヤフォン)ラインナップを一新したのは2014年のこと。 旧Kシリーズのアイテムもしばらくは入手可能だったものの、2016年からは入手困難になったて。

2014年移行旧Kシリーズのインイヤーヘッドフォンは非常に安価で入手可能だったのでコストパフォーマンスに優れていたのだけれど、さすがになくなってしまったし、現行モデルはそこまで安くはない。 なにより、従来のKシリーズほどラインナップは多くは無くなってしまった。

AKGのインイヤーヘッドフォンはモデルによってかなりキャラクターが違い、好みの音を見つけたモデルがなくなってしまって困っている人も多いだろう。

私はAKGのエントリーモデルであったK321が好きだった。 だが、K321に相当するモデルはなくなり、エントリーモデルとして新しくY20というモデルが登場した。 そして、人気モデルだったK323 XSの後継モデルとしてY23が登場している。

とりあえず聴いた感じでは、おそらく後継もなにも同じものである。1 K323 XSの現物がないので、直接比較できないのだけれど、直接比較せずに違いは見いだせないぐらいには近い。 K323 XS自体が2013年の終わりのほうに出てきたのだから当然か。

というわけで、この記事はK323との比較ではなく、K321やその他インイヤーヘッドセットとの比較となる。

概要

K323はAKGの中で明らかに新しい世代のアイテムだった。

Y23を旧Kシリーズと比較すると

  • ケーブルが太い
  • マイク/コントローラが付属するヘッドセットモデルがある
  • 非常に小さく、本体が1gしかない

ケーブルが太めなヘッドセットというのは最近の流行りであり、スマートフォンで音楽を聴く層が増えていることを反映したものだろう。 非常に現代的なのだ。

5.8mmドライバを採用し、1gという軽さもさることながら、とにかく小さい。 うまく耳にフィットする構造で、フィット感が高い上に軽いため装着感はとても良くて疲れにくい。 チップが近く入るタイプではないので耳への負担も控え目。

K323 XSではリモコンモデルのカラバリが乏しいという戦略的矛盾があったが、その点はY23Uでは解消されている。

K323 XSのリモコン付きモデルは結構高かったのだが、リモコン付きのY23Uはだいぶ安くなった (今回はAmazonで2700円とY20並の値段で、しかも5%offだった)。リモコンなしのY23も少しだけ安くなっている。 そのためなのか、パッケージは小さく、簡素になった。「AKGを買った!!」という感動があるものではなくて、audio-technicaやSonyの安いヘッドフォンと変わらない(あるいはそれ以上に簡素な)パッケージをしている。

イヤーチップはXS/S/M/Lで、Sが標準。 MとLは少し大きめサイズだ。 コードが太く、短くなった関係で、小さいイヤーチップだと引っ張られて抜けやすい。

音の話

K321はとっても低音なヘッドフォンだった。

低音ブリブリで、しかし分離がよくて音が粒立っていて、私は大好きだったのだけれど、Y23はキャラクターが全然違う。

Y23をチューンした人はきっとギタリストだろう。 ギターの美しさ、際立ちに関してはなかなか適わないほど素晴らしいと思う。

全体的にメロディ音域に寄ったチューニングだと思うけれど、一番美しいのはギターだし、きっとJeff Beckを聴くには最高に違いない。 ホーンセクションもなかなかいいので、SKAを聴くのもいいだろう。東京スカパラダイスオーケストラが好きな人もきっと気に入るだろう。

ヴォーカル曲にもなかなかマッチする。 男性ヴォーカルよりは女性ヴォーカルのほうが映える傾向。

逆にベーシストは控え目に鳴るベースが気に入らないに違いない。 音の傾向は控え目でクリーンであり、特にベースが控え目な鳴り方をする。 低音大好きな人には向いていない音だ。私もイコライザで低音を増したい誘惑に駆られた。

全体に控え目だけれど小さい音量でもちゃんと鳴るというサウンドだから、 「小さい音で聴く派」の人に向いている。 ちゃんとメロディはくっきり聴こえて、それぞれを聴き取るのは難しくなるけれど、それでも伴奏はちゃんと彩ってくれる。

この傾向は大音量でも変わらないバランスなのだけれど、爆音になるともうちょっと低音もガツッと鳴るようになる。 あと、インピーダンスは16Ωなのだけれど、ポータブルプレイヤーで鳴らすよりも、もうちょっとパワーのあるアンプにつないであげると音量を上げなくても低音が増えるようになる。

ボワついた音が嫌いな人、メロディが気持ちよく聴けるサウンドが好きな人、音量小さめの人にはとってもお勧め。

ちなみに、Y20はK321的サウンドではなくて、Y23同様にフラットで中音域とクリアさ重視。 N20も全モデルのK374と比べてそういう方向らしいので、基本的に今のAKGがそういう方向を向いているのだろう。 それは、K3003っぽい方向とも言える。K3003はぶっ飛んだ値段だけれども、見た目に派手なわけではないし、音に関してもものすごく地味で真面目な作りなのだ。

Yシリーズ終わるの…?

実はAKGのウェブサイトではY20/U, Y23/Uすべて生産終了となっている。 Nシリーズも随分値下げしており、モデル切り替えの時期なのかな?という印象がある。

K3003は相変わらずであり、値段も相変わらずなのだけど。N30, N40も値下げなしだ。

プレゼントにいかが?

実は私はY23に関しては自分で使うよりも前に人にプレゼントしたことがあるのだけれども、 5000円を切る価格のヘッドフォンはプレゼントを金額で語られたくない身としては結構いいチョイスだと思う。 けれど、ヘッドフォンは好みもあるし、良し悪しもあるからチョイスが難しい。

音楽大好きでも女の子だと小さい音派の人は少なくないので、Y23、プレゼントにいいと思う。 ただし、相手がEDM好きではないことを確認したほうがいいだろう。 だってEDMには合わないもの。


  1. 実際は微妙に違う。例えば、ケーブルが少し太いので音質の差も出ているかもしれないし、ボタンが3ボタンから1ボタンになった。

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