少女のままじゃいられない/P.IDL

色々あって聴いてみた。Audio 4 DJ+HFI-580でフルボリュームという完全なモニター環境による「本気の」チェックである。ただし、音源は
    <a href="http://www.youtube.com/watch?v=ReftdTS4qm0&feature=youtu.be" alt="YouTube">

YouTube
なので、だいぶハンデにはなる。
まずこういう作品の場合、音楽のみで評価するべきでないし、またそれが望まれないことも多い。一応、それを踏まえて総合的に見てみた。
感想を一言で言えば、「色々となるほど」だ。あんまり言うと角が立つのでやめておこう。こういうのは、当人達は最終的にはある意味幸せで、ある意味不幸なのだが、それは別に彼女たちに限らずアイドルはそんなものだとも言えるし、アイドルでなくとも音楽業界ではありふれた話でもある。いや、音楽に限らず、世の中ある程度そんなものなのかもしれない。大半の人にとっては。
ちなみに、アイドルとしてどうかという話は、私がすべきことではないし、私の個人的趣味が共有されることはまずないため、特に何も言うことはない。
では音楽的な話。ギター+シンセ+ベースというのが音楽的柱なのだろうけれど、これがいくらかの問題を持っている。というのは、この厚みに対して、特に「いぇい」の声がひどく合っていないのだ。雰囲気的な話もあるが、音声的にもあっていない。ヴォーカルをいくつかのパートに分けているようだが、最初のヴォーカルの出だしになっているパートとは合っているので、恐らくこれをベースに音声決定したのだろうが、グループ内でヴォーカルをとっている人の声質にも大きなギャップがあるため、ちょっと曲を構成する音声をこれだけシンプルにして押し通すのは、ちっょと無理があるのではないか。この楽曲において他のアプローチがあるという話ではなく、このグループに対して他のアプローチがあるだろう、という話として。
ヴォーカルについてはサビ部分の音声感は楽曲に対して良好で、多人数女性ヴォーカルは宿命的に非常に耳障りになるが、キレイに仕上がっていると言っていい。多様な音声を持つヴォーカルを着用したメリットといえよう。ただ、サビ部分で一人だけ声が浮いているが。ちなみに、サビ以外についてもそれほど音声を重ねていないこともあって、楽曲とのマッチングを別とすれば、かなりの部分はそれなりの魅力を持っている。ただし、そうでいない、「これはだめ」な人も、いる。なお、昨今のアイドルグループでヴォーカルが「離れている」ケースは案外珍しい。プロデューサー等の趣味が出る(ハロープロジェクト関連に顕著)し、統一させることも多いからだ。
例えばカラオケトラックのようなoff vocal版を訊いた場合、カッコいいとは思うが、これだけ単調では飽きそうだ。あまりギターが上手い人が作った感じではない。いや、必ずしも演奏力ではないのだが、技巧的にも理論的にもそれなりにもっていてこれなら手抜きのように思う。少なくとも私ならもう少し変化を入れていく。大体、全編通して録ったようには聴こえない。ヴォーカルを含めたエディットに走りすぎた感じもある。
アイドルグループのデビュー曲で、曲中にもグループ名を盛り込んでいるくらいだから、グループの方向性を決定する、また「どのように売っていきたいか」ということを踏まえたオーダーがなされたものと思われるが、ちょっと煮詰めの甘さを感じた。コンセプトが走ってしまったのか、思うような人が集まらなかったのか。あるいは、イメージが固まりきらなかった、齟齬があった、合意形成が不十分だった、ということも考えられる。
もっとも、今時アイドルグループの曲となると(今時ならそれに限らないが)同人音楽じみたものもよく見られるのだが、その点少なくともしっかり作られてはいるし、楽曲はカッコいい。大体こういう記事を書くために無理して聴くケースが多いが、これなら、積極的に是非買いたいとは思わないが、買ってもいいかな、と思うレベルにあるので、相当なものだ。少なくとも、この時点でこれを書くために10回以上リピートして聴いているが、特に不快に感じておらず、気持ちよく聴けている。繰り返し聴いてちゃんと「よくなって」いくあたり、結構良い。そういうのは、今の「売るための」音楽では希少だからだ。
また、エディットが結構バランスよく、低音が気持ちよい仕上がり。分離も合格。「いぇい」の浮きっぷりは、加工なしにはどうしようもないだろう。
さらに、1回目聴きおわって(1回目はスピーカーで聴いた)離れた時に、しばらく頭の中でループしていたので、結構いい曲なのかもしれない。
もうひとつ。曲に対してPVの最後の余韻はとても適切で、大変良い。


最近、改めて聴いて印象が変わった部分があるので付け加える。
まず、音圧が足りない。そして低音が薄い。このようなダンスミュージックを作るのであれば、低音は大事ではないのか?低音詰め込み過ぎた品のないサウンドよりはいいが、それでも気持ちいい低音は大事だろう。
何よりドラムの音色選択が許せない。もっといいドラムサウンドなどいくらでもあるだろうに。ダンスミュージックのドラムではないように思う。ドラムのサウンドというのは、ダンスミュージックの骨ではないか。
そして、さらに、全体のミックスだが、ヴォーカルが大きすぎる。別の言い方をすると、バックが小さすぎる。アイドルソングだから、ヴォーカルをフィーチャーするためにこのようなミックスになったのか?音楽的な完成度を犠牲にして。

一言で片付けるなら「煮詰めが甘い」。言いたいことは「これでは気持ちよく踊れないだろう」ということだ。ダンスミュージックならば、それは致命的ではないのか。もちろん、アイドルソングであってダンスミュージックではない、という主張は成り立つ。

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