厚生労働省が、貧民の栄養バランスが悪いのは意識の問題とか煽っているので、「一日100円」の現実を教えてやろうではないか、ということで実際の私の食生活について書いてみることにした。はっきり言っておくと、まともな栄養が取れる食事は、金持ちの特権だ。

条件設定

まず、前提。

  • 全体額として、一日あたり250円と350円の2パターン
  • もらいものなど無料で供給されるものはない
  • 頭割りは不可
  • 会員特典など条件つきで安く買えるもの、自分で収穫できるものも不可
  • ひとり
  • 水以外の飲食を追加するのは一切不可。完食をカウントしないこと
  • 横浜

という条件とする。ちなみに、調味料は別枠だが、一日あたり25円までだ。

さらに、私の場合は

  • 食べる量自体はかなり多い(成人男子で、筋肉量も多い)
  • 納豆、レバー類は不可
  • 栄養に極めてシビアで、ちょっと欠けるだけでたちまち倒れる
  • 食べる「量」が少ないと、便秘になって動けない
  • 倒れたら助けてくれる人どころか気づく人すらいない

という条件が付加される。
納豆・レバーを不可とした上で、量的な確保が必要となり、かつ栄養を無視して量を確保することもできない、という条件だ。

250円

250円はかなり厳しい。

金銭的に厳しいと、量に対して価格の安い炭水化物を多くする以外にないし、それ以外が買えない。

しかし、ビタミンB1の欠乏は脚気によって即座に死につながる。
貧しいということは労働時間が多いということでもあるため、米を洗うなどの時間的損失は非常に大きい。となると、必然的に胚芽米で無洗米という選択肢しかない。
私の場合は、どちらかというと米を洗っていると手あれがひどく、出血や一部壊死などが相次いだためだが。

だが、胚芽米は非常に高いため、私は白米とまぜて月間10kgとした。これが3000円ほどで、一日あたり100円だ。

そして、栄養バランスを食事からとることは不可能だと分かっているため、伊藤園の濃縮野菜ジュースをボックスで買う。一杯で50円。本当は必要な栄養を考えれば、最低2杯なのだが。

そして、残る100円がおかず代だが、これがなかなか難しい。

100円で買えるおかずはある。だが、量的にはかなり少ない。
ご飯をたくさん食べておかずをつまむスタイルで、1食(約1.5合)のおかずにするのは難しくないが、「100円が一日のおかず」なのだ。
3食ならそれを3分割しなくてはいけない。現実的に不可能なので、2食以下にする以外にない。

2食にしたところで、例えばコロッケ一個、アジフライ一個を2つにわけて、1食のおかずにすると考えてほしい。
女性ならできなくはないだろう。だが、男性にはかなり辛い。

それだけではない。200円のおかずもあるが、その場合4分割しなくてはいけない。
4分割できる場合であっても、それを一旦箸をつけてから翌日に持ち越すのは難しい場合が多い。そのため、「200円で2日」を実現できるケースはかなり少ない。
同様に、肉も400円で4日といったことは、量的には可能なのだが、保存的に困難だ。先に切り分けないといけないため、その時点で雑菌が繁殖し、冷凍しても4日は危ない。

数日ならできるかもしれないが、ずっと続くのだ。やってみればわかるが、1日100円が実現できるのは、スーパーの惣菜などであり、食材ではない。食材は高いのだ。

一日100円だと、常に分割が問題になる。値段的に買えるかどうかでなく、「それだけ分割して食べられるか」が問題になるのだ。つまり、一日100円で食べていけるもの自体がないということが問題になってくるのだ。

それを可能にするアイテムというと、極めて物自体が限られてくる。
となると当然、食べるものが決まってくるのだから、摂取する栄養も固定されてくる。
それなりにバランスがとれている食品だとしても、固定されればその偏りが続くことになる。

加えて、同じものしか食べられず、しかも少量でごはんだけを食べ続けるというのは、かなり精神的に蝕まれる。正常な精神が保てなくなり、精神的にも飢餓状態になってくる。
実は、食感が偏るのがかなり辛く、食感に偏りが出てくると摂食障害が生じ、食べること自体ができなくなってくる。
ちなみに、麺類は麺とつゆだけであれば食べられなくはないのだが、パンは滅多に食べられない。ラーメンも、少食の人でないと難しい。

ちなみに、必然的に調味料も限られてくるため、味のバリエーションも非常に少ない。例えばパンを手に入れられたところで、ジャムを塗るなんてことは当然できないし、しょうゆと塩コショウは確保するが、マヨネーズ、ケチャップ、砂糖、ソース、ドレッシングなんかはない状態になる。

ちなみに、カロリーメイトのような栄養食品を使うことも試したが、コスト的に必要なうネルギー量すら確保できないため無理だった。それに、非常に辛い。

結局、この250円生活はあまりにも体を壊す頻度が高く、辛かった。

350円

350円、つまりおかず200円になるとだいぶ楽になる。
1食でレトルト食品1品を使うことができ、そのために分割が難しいカレーなどが使えるようになるからだ。
食パンと目玉焼きなんかも可能になり、なんとか食事の体裁を取ることができる。

だが、あくまで食事をとれる、というだけの話だ。

どうがんばっても1品が限界で、かつ基本的に単一の材料による1品になる。
現在は、私は唐揚げ、ソーセージ、ハンバーグの3種類で回している。つまり、この3種類しか基本的には口にできない。もちろん、味付けも常に同じである。

鶏肉は使えるようになるが、豚肉は恐ろしくまずい、脂の塊のようなものしか口に出来ない。
魚や野菜は高すぎてとても手が出ない。特に、今年キャベツは350円をこえるほど高騰し、とにかく困った。
それ「だけ」を食べるという意味でギリギリ成立するのが、きのこぐらいのものだ。

買える野菜に関しても、やはりそれがおかずとなると満足感があまりに足りない。これくらいの食費だと、食べることには命がかかってるので、そんな洒落た気分にはとうていならない。
まして、家でじっとしているわけでもなく、エネルギー消費量がかなり大きいとなれば、そんなもの命に関わる。
また、魚は単価が高く、保存も難しいため、分割に耐えない。

料理の際のガス代、水道代、洗剤代も考えると、やはり出来合いのほうが圧倒的に安い。自炊するためには、おかずに1日500円は使えないと厳しい。

単純に食感と満腹だけを考えると、たまにお菓子に置き換えるという方法もある。満足感は下がるが、精神が若干病みにくくなる。だが、この場合はごはんも食べない話になる。置き換えるのだから。あと、お菓子といっても、安売りしているお菓子となり、物は完全に固定される。

現状、どうしても忙しくて外食するしかない場合や、コンビニで調達するしかない場合もあるため、結局は平均すると550円くらいになる。ストイックに350円を守っていると、体も心ももたない。

炭水化物と、決まったひと品が限界という食生活で栄養バランスなどあるわけがない。野菜ジュースで補っているが、それでも倒れることは多々ある。
そのほかにもひどい体の不調、というよりも変形なども生じる。

ちなみに、単純に一人暮らしも不利だ。色々なものを買い、使わないと栄養バランスはとれないが、そうなると分散される分使い切れなくなる。同じ食材の料理が続くことにもなり、一人暮らしで栄養バランスを取ろうとすると、それなりにちゃんとした外食が続くことになる。
トータルで辻褄あわせるのではなく、単独でみても栄養的にバランスをとるようにしようと思うと、だいたい一日に3500円は必要な計算になる。
ここまでくると食材を無駄にしてでも自炊したほうが安上がりではある。

ガチ100円

ほんとに一日あたり100円の生活をしたこともある。高校生だったので、辛かった。

まずエネルギーを確保しないといけないし、栄養が欠乏してもいけない。そのため、板チョコ一枚と栄養ドリンク1本で3日をしのぐという生活だった。

連続日数は最長でも一ヶ月にすぎなかったが、累計では結構な期間やっていた。

辛いという次元でなく、いつも体がふわふわして感じる上に、食べることが全くできなくなる(食物を口にすると吐くようになる)

食事の内容を見なおせというのであれば…

ぜひ、実践の上説明していただきたい。
もちろん、レギュレーション遵守で。

食費がまともにとれない生活というのは、簡単には想像できないほどに辛い。

今の日本で飢えることなどないなんて平気で言う人が結構いるが、私は中学の時から、日常的に飢えと戦ってきた。死をそこに感じられるレベルでだ。
体の特性上、喫食は極めて強い苦痛を伴うため、できることなら食べないで暮らしたい私ですらもこれだ。食べることが好きな人であるならば、飢える生活はさらにつらいだろう。

やってから言え、という気持ちは強い。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA