印刷のグラフィックに名刺を発注した

これまで、名刺はエーワンの名刺用紙を用いていた。

鮮やかなインクジェットプリンタと、厚手の用紙による仕上がりにはかなり満足していた。
特に初期は頻繁な変更が想定されたし(実際に細かなリビジョン違いも発生したりした)、発注するよりは簡単に変更できる自製でと考えていた。

最大の欠点はプリンティングミスが多発することだった。
同一の設定でも適切に印刷されないことが多く、色々と設定を試す必要があり、普通紙ならただしく印刷されるが用紙になるとダメなど色々な問題が生じて、インクも紙も相当にロスしていた。

通常は、用紙1枚の値段と、それを印刷するのにかかるコストと、印刷所にお願いした場合のコストを比較する。
だが、実際は大量のプリンティングミスによる損失が出ているのであり、印刷のコストは3倍から7倍程度になっていた。

比較的少部数でも、印刷をお願いする場合のコスト差は2倍程度の話だ。
もはや、ある程度仕様変更に伴って廃棄したとしてもお願いするほうが安いという段階にきていた。

そして、Canonのプリンタのインクが切れ、次のプリンタであるhpのプリンタはどう調整しても縮小されたようにズレてしまうという問題が解決せず、これに伴って発注を決意した。

だが、実現までは1ヶ月を要してしまった。

ソフトウェア的難関

コンピュータは加法混色であり、光の三原色RGBの混ぜ合わせ、対して印刷は減法混色であり、CYMの三色のインクの混ぜ合わせ、ということは割と知られていると思う。

そして、3色の光をまぜるほうが、3色のインクを混ぜるよりもはるかに幅広い色を表現できる。
「3色で全ての色を表現できる」などと言われたりすることが多いが、実際はそうではない。表現できない色はとても広いのだ。

画面で表示する分にはRGBでいいし、家庭用のインクジェットプリンタはRGBのデータを再現するための構造になっている。

だが、印刷所で使うデータはインクで指定するCYMK(CTM+黒(key plate))のデータでなければならないのだ。

私が普段使うInkscapeはRGBのデータしか作成できない。そこで、印刷所にお願いするならRGBに対応するSK1を使おう、という発送まではあった。普段お願いしているよみプリはInkscapeのRGBデータに対応してくれるが、名刺は結構高く、またこだわりも反映しづらかったので選択しない方向だった。

ところが、だいたいどこもAdobe製品を要求するのだ。
SYMKのPDFでも納得しない。Xaraユーザーに喧嘩を売っているのか。

PDFなら何でも通るような方法もあったりするが、その場合サービス自体に制限が加えられるのが普通であり、加えて有料だったりもする。
PDFではなくOffice形式で通せという、またLinuxユーザーいじめなこともあったりする。

10万円もするようなAdobeソフトを、印刷を必要とする誰もが持っていると思うのか!?

私はIllustrator 7は持っていたのだが、それでもダメらしい。
というか、Illustrator 7なんて操作性も悪く、今の素材が全然使えないので使い物にならないのだが。

最終的にはIllustratorを使うこととなったが、Windowsマシンを用意することからどうしようという状態であった。

データフォーマット的難関

どういう状態のデータを入稿すればいいのか、というのは、暗黙の了解があるのかもしれないのだが、だいたいどこも不明瞭だ。

不明瞭ならおおよそそのまま使えるデータがあればそれを元にしてくれればいいのだが、完全に使えるデータを要求される。

そのため、用意すべきデータの正確な部分を知るためには問い合わせるしかない。

最初プリントパックに問い合わせたのだが、返答がなかったため、諦めた。

そして、印刷のグラフィックにお願いすることとなり、繰り返し問い合わせたが丁寧に対応いただき、ようやく印刷にこぎつけることができた。

仕上がりについて

文句なしに素晴らしい。

500枚程度では、簡易的なオンデマンド印刷機を用いるというところが多い。
東京印刷などは、少部数の場合オフセット印刷で依頼してもオンデマンド印刷を行う場合があるとしている。

だが、圧倒的にオフセット印刷が美しい。

印刷のグラフィックは、値段的には最安価のボリュームからすればやや高めだが、品質が良い、という評判であるらしい。
線数が多めの印刷機を使っているようだが、それが効いたのだろうか(自分で発注した印刷物を自分で見たのは今回がはじめてだった)。

何よりも印刷のグラフィックは紙の種類が多い。テクニカルブログがあるくらいなので、相当紙にはこだわりがあるのだろう。
どこの印刷所も紙には種類があって選べるものだが、印刷のグラフィックは尋常じゃなく多い。安価なネット印刷にまでそれを適用している。

こだわって選択した紙に、こだわって苦労して作ったデザインを、印刷のグラフィックは素晴らしい仕事で形にしてくれた。

ひと目に全く違う。白色も違う。鮮やかさも違う。かっこいい。

色域はRGBのほうが広く、インクジェットのほうが表現力がある。故に鮮やかさは劣るだろうと思っていた。浅はかだった。現物がもつ説得力は圧倒的なものであった。

SIEの名刺は、期日よりもかなり早く届けていただけた。
これが、今契約に至った仕事の最初の打ち合わせの朝に届いたため、その時早速に使うことができた。
そして素晴らしい話ができた。の素晴らしいミラクルだった。

HARUKA Soundの名刺も期日通りに届いた。予備が入っていたのだが、特にHARUKA Soundのほうはかなり多かった。なんとも心憎い。

余談だが、箱のクッションに使われていた紙がなかなかお目にかからない良い紙で、さすが印刷所からのお届け物…と思ってしまった。

2016-03-03のFacebook投稿より

HARUKASoundとAki SI&Eの名刺両方がなくなってしまったので(SI&E名刺は少量発掘されましたが)新しい名刺を作りました。

今回も元々はエーワンの名刺用紙を使って自作しようとしたのですが、まずCanonのプリンターがインクが切れていて、もうインクを買う気にもならないので終了。
さらに新しいhpのプリンターは、やはり折り曲げがきついのかどうしても位置が合わず、結局諦めることにしました。

計算上、よほど大量に刷らない限りは名刺用紙を使ってインクジェットプリンタで印刷したほうが安い(しきれいでもある)のですが、かなりの枚数仕損じを生じるため、そのインク代が非常に高く、結局全体のコストでは100枚でも発注したほうが安い、という結果に。

そのため発注することにしました。
これは、ここまで名刺が非常に頻繁に変更されるために自作して、少部数で切り替えてきたものの、もうおおよそ固定されるところまできたということもあります。
ちなみに、この2年で配布した名刺はHARUKA Soundが約100枚、Aki SI&Eが約500枚(こちらは1年半)です。
意外とHARUKA Soundも配っていますね。今の活動では音楽関係者とお会いする機会は少ないのに。

単に発注するだけでなく、色々とこだわりました。一番は紙ですね。イメージにあった紙の選択に気を遣いました。

HARUKA Soundの名刺

HARUAK Soundは少部数で片面カラーなので、比較的贅沢な紙を使用することにしました。
白が多く、クールな青で美しく彩るという印象のHARUKASoundの名刺は、白色度が高く、グロッシーな紙が合うでしょう。
予算を考えないのであれば、ルミネッセンスマキシマムホワイト、あるいはペルーラスノーホワイトがいいのですけど、この2つは高すぎるので、ヴァンヌーボVGスノーホワイトを有力としていたのですが、結局ベタですが、ハイマッキンレーポストにしました。

デザイナーの皆様にはおなじみですね。はい。
芸がありませんが、白くてグロッシーな紙ということで。
ハイマッキンレーポストの名刺はちょいちょいいただきますが、白を活かしたものは見たことがないので、楽しみです。
物足りなかったら次はミラーコートにしたりするかもしれませんね。

デザイン的には、HAURKASoundは初期から一度も変更されていないはずです。
そのため、十分に枯れたデザインであると判断し、今回もTwitterを加えただけとなりました。

SIEの名刺

SI&Eに関しては、かなり入念に進めました。
名刺用紙でインクジェットプリンタなら即席で刷れば良いという話で気楽なのですが、発注して大部数を刷るということになると、コスト的なロスは少なくても大量の廃棄を生じるというだけでも嫌なので、できるだけ変更の可能性がある部分は確定しておきたいところです。

先日ご報告の「ドメインを取得し、メインドメインを変更した」ということもその一貫です。
新しいドメイン、aki-sie.yokohamaは、まさに新しいAki SI&Eの戦略の一部でした。
アドレスの変更は、名刺の変更の中では重要です。可能性があるのなら変更しておこう、というのが事前にあり、
それを踏まえて事前に取ったのがaki-sie.comを取得するということですが、
そこからさらにaki-sie.yokohamaというドメイン取得に至ってその戦略が練られたということを示しています。

デザインはほぼこれまでを踏襲していますが、実際には細かく変更を加えています。
表面については、まずロゴを従来を青紫から納戸色に変更する、ということが行われました。
また、発注するとなった時点で、従来の制約から解放されたのに合わせてロゴと写真の位置関係を変更、同時に写真も差し替えました。

この制約というのは一体なんだったのかというと、エーワンのこの用紙は表面は縁ギリギリまで印刷できますが、
裏は紙を支えるためのシール部分があるため、この部分に印刷できません。
つまり、論理的には表面になっている部分は印刷時には裏面であり、そのために縁と四隅には一定の余白を設けざるをえなかったのです。

また、従来は裏のポイントイメージは隅ギリギリに配置されていますが、印刷ではそれは切れてしまう可能性があるため、少し内側に移動しました。
また、GitHubのアドレスが間違っていたため、修正しました。裏面はデザイン上の変更は最終までそれだけとなります。
もちろん、ドメインの変更などはこの裏面に反映されています。

しかし、表面に関しては様々な戦略上のディスカッションが行われました。
最初に議題に上がったのは、テーマカラーです。また、最終的には納戸色となりました。

重要な議題は、Aki SI&Eという屋号です。
Aki SI&Eという名前は、必要に迫られて約2時間で決定しました。
この名前はディスカッションの上に誕生したものですが、十分でなかったことを告白せざるをえません。
美的センスの上では悪くないのですが、非常に言いにくい名前です。「呼びにくいから印象的で覚えられる」というのもあると思いますが、実際はあまり覚えていただけない印象です。商工会の方や税務署の方もよく間違えられたり、噛まれたりしています。
それどころか、私自身が電話応答でよくかみます。
しかも、お年寄りにも気軽に相談できる、頼れる存在であろうとしているのに、この名前はないでしょう。

本来は根本的に変更すべきです。
しかし、今から根本的な変更は少々困難です。根本的な変更も検討はされましたが、やはりそれを行うとすれば法人化の折にでも、というところに落ち着きました。
結局は、特徴である一方、諸悪の根源である「&」を排除する、という決定がなされました。
つまり、屋号をAki SI&EからAki SIEに変更するというのです。展開先としては相変わらずandは存在しますが、名称からは消去されました。
凡庸な名前ですが、しかしドメインとの整合性もとれ(ドメインに&を使うことはできませんし、-and-と入れるのも不格好です)、フレンドリーな名前になりました。

当然ながら、ロゴに変更が必要です。
ロゴ的には&は重要であり、これがなくてはデザインはいまいちなものになってしまいます。
一方で、Aki SIDEと読まれてしまったこともあります。
単純に&を除いたところからはじまり、さらにAkiを小さくして(差別化に必須のワードですが、冗長です。通称はSIEであるべきでしょう)SIEを大きくしたデザインを検討、そこでEが不格好であるために変更する、という流れとなりました。

従来のロゴは単純にテキストです。文字は全てフォントでできていました。
しかし、今回はパスを編集しロゴを「作り」ました。
新しいロゴは今後しばらく使っていくことになるでしょう。結構な苦労がありましたが、結果的にはまぁ、悪くない出来になったと思います。
ベクターグラフィックツールを使うのは決して得意ではありませんからね(Flashを作っていたことがあるので、多少は心得はある)。

入稿の苦労

名刺は最初、プリントパックにお願いするつもりだったのですが、入稿データに不明瞭な点があったため問い合わせたのですが、2週間を経過した今日に至っても解答はありません。

結局色々なところを当たったのですが、@グラフィックにお願いすることになりました。
最大のハードルは、私の制作環境がLinuxであり、Inkscapeであることです。
Inkscapeのデータを受け入れるかという問題があります。RGBデータしか扱えないInkscapeがダメだとしても、CYMK PDF出力が可能なsk1のデータは受け入れて欲しい。

その観点から@グラフィックを選びました。東京カラー印刷も検討したのですが、入稿できるのが基本的にAdobeのみで、Office入稿が有料、となっていたので避けました。

それだけInkscapeでの入稿にこだわっていたにも関わらず、結局@グラフィックもAdobe以外での入稿が品質と自由度が低いグラフィックビズに限る、ということが分かり、結局はIllustratorをなんとかする、という方針に。

結局はなんとかしましたが、なんで入稿はAdobeに限るのでしょう。
みんなそんな10万そこらするソフトをほいほい買うと思ってるんですか。
今のAdobeはWINEで動かないというのにLinuxユーザーのことをどう考えてるんですか。
印刷を利用するのはデザイナーだけじゃないんですよ。
デザイナーでなければデザインしちゃいけないんですか。
それともXaraユーザーに対する挑戦なんですか。

と熱くなってしまいますが、@グラフィックには、右も左もわからない状況で入稿データについて4連続で問い合わせさせていただいてしまい、丁寧にお答えいただきましたから、ここは私が折れる側だということで素直にIllustratorを使いました。

このために結構な作業が生まれました。
RGBからCYMKへの変換作業に加え、インクの総量を300%に抑え、箇所によってはリッチブラックでなくスミベタに変更するなど、色に関する変更、さらに写真やイラストに関してはそのままCYMKに変換しても使えないのでインク総量制限に合わせた作り直し、そしてこれまでIllustratorで作っていないためにIllustratorに合わせたデータ的な変更、ヘアライン潰し、崩れたオブジェクトの修正なんかをしました。
Illustratorにちゃんと触ったのははじめて(Illustrator 7は持っているのですが、ほとんど使うことがなかった)という状況で、これらの問題を集中できず他の作業を色々進めながら、Illustratorの操作を学びながら2日でデータを仕上げたのですから、まぁ悪くない仕事だったのではないかと思います。

最終的な仕上がりは、さすがに本職デザイナーさんの仕事ほど華やかではありりませんが、
まぁ私らしいまとまったデザインで悪くないのではないかな、と自画自賛しています。
アートワークを仕事にしていたこともありますしね。才能ないので続けませんでしたけど。
ベクターグラフィックスをもっと巧みに扱えればおもしろいこともできるんですけどね…

グラフィックは対応も丁寧でしたし、紙に関する情報も豊富に提供していたり、そもそも取り扱い用紙が非常に多かったり、デザインや活用法に関する情報も提供していたり…とても好感がもてました。
まだ仕上がりは見ていませんが、印刷の品質は高いということも聞いています。
東京カラー印刷も、オフセット印刷を選択しても少部数ではオンデマンド印刷を行うということですし、印刷の品質が高いというのは嬉しいですね。
お値段は本当に安いところと比べるとちょっと高いのですが、おすすめできる感じでした。
チラシはよみプリにお願いしているのですが、今後はグラフィックにお願いするかもしれません。
よみプリも、Linux Inkscapeのデータを受け入れてくれたりしてすごく助かっているのですけれど、結構高いのと、
名刺に関しては用紙も選べない感じでしたから、今回はお願いしませんでした。

2016-03-14のFacebook投稿より

@グラフィックに発注していた名刺が届きました。
12日発送、13日到着は期日通りで、HARUKASoundの名刺はこの通りに届きました。
Aki SIEの名刺は10日発送・11日到着と予定よりも早く、11日の交渉を素晴らしいものにする役に立ちました。
名刺を理由に11日を回避しようかとも思ったのですが、結果的には11日だったから良い話ができ、
しかも名刺も届いていたのですから、とてもハッピーです。

Aki SIEは両面カラー、サテン金藤で500枚。
HARUKASoundは片面カラー、ハイマッキンレーポストで200枚。

紙についてはAki SIEはあまり悩まなかったものの、HARUKASoundは随分悩みました。
結果的には非常にイメージに近い仕上がりで、見た目にも美しく気分があがります。
サテン金藤はちょっと薄めな紙なのが残念。ヴァンヌーボより安いという理由のチョイスですが、
表現的にはサテン金藤のほうが合っている気がします。
個人用の名刺はヴァンヌーボ向きですね。@グラフィックで扱っているグランヌーボという紙も気になります。

それはともかく、非常に美しい仕上がりで驚きました。
@グラフィックは210線ということもありクオリティが高いとは聞いていましたが、
RGB色域で印刷でき、解像度も高いインクジェットよりも鮮やかさで劣ることは覚悟していました。
しかし、実際にはにじみがないため非常に綺麗で、しかも鮮やかさでも並べればこれまでのものがくすんで見えるほど鮮やか
(紙の白色度の問題もありますが)

素晴らしいクオリティアップになって大満足♪です。

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