amp-reflection / School Food Punishment

School Food Punishment(SFP)は2004-2012年に活動していたミクスチャーバンドで、amp-reflectionはそのメジャー1st albumとなる。

SFPは私と同年代(1983/1983/1974/1981)と若いが、極めてレベルの高い4人のミュージッシャンによって構成されている。構成はVo/G, Kb, B/Cho, Drというもの。ベースとドラムについては入れ替わっており、このアルバムは新メンバーによる。音楽シーンの時代を担う、それは音楽そのものの芯かを担うという意味でこのままベテランになって素晴らしい音楽を追求してくれるのだろうと思っていた。かなり先鋭的な音楽を作り、演奏レベルも高いが、それだけでなく音楽性、作編曲はもちろん、エディットまで含めて極めて高度で、現代音楽の要素も取り込んでいる。その音楽は、好き嫌いという枠を越えて、音楽脳を試されるものとなっていると言っていいだろう。

そのような高度かつ先鋭的な音楽をしながら、このアルバムは非常に聴きやすく、ノリの良いものに仕上がっている。音楽脳を試されることに変わりはないが、それでも単純に「いい音楽」に仕上がっている。他のアルバムと比べても難解な曲がなく、非常に「かっこいい」、かつ「いい」音楽なのだ。

改めてしっかりと聴いてみても、その演奏レベルは非常に高い。ミクスチャーであり、全面的に生演奏というわけではないのだが、それでもその演奏力の高さは驚異的だ。私としてはやはり、Metalのようにテクニカルで、Jazzのようにエモーショナルなドラムに耳を奪われる。ここまでレベルの高いドラマーが日本にどれくらいいるだろう?

そして、ギター、ベース、キーボードとも超絶技巧といっていいレベルにある。そんなメンバーが見事な調和を見せる。全員が全力で主張するようなプレイだが、それがしっかりと一体となって見事としかいいようのない隙のない音楽を編み出しているのだ。しかも、ヴォーカルも非常に表現力豊かで、しっかり声を活かしている。それは歌唱においてのみでなく、しっかりと曲が歌唱を活かしているのだ。

メロディーラインもかなり高度だ。その高度に動くメロディーラインに絡みもせず、あくまでバッキングで行われるシンセが非常に動く。主旋律が動いているところに独立して動く旋律をもつというのは非常に難しく、どうしても耳障りになって腕利きでも諦めてしまうことが多いのだが、平気でそうしたことを盛り込む。積極的にそれが行われているのがafter laughterだ。ちなみに、この曲は、どうしても単純な添え物になりやすいベースをしっかりと旋律的に仕上げるなど非常にしっかりと作られている。

技巧、曲構成の点で光るのは、light playerだ。非常に速いテンポに容赦なく高度なプレイ、ドラムとキーボードの超絶さが目立つが、ベースとギターもこれは相当難しい。本当に高度だ。それがただ高度だとか、見せつけるとかでなく、しっかりと気持ちの良い音楽になっているのがとてもすごいところだ。

4つ打ちなど超高度な演奏の中にもちゃんととっかかりを用意してあり、どこにも隙は見当たらない。これだけパート合計の音数が多ければうるさくなりそうなものだが、そこはアレンジとエディットで見事にまとめ挙げている。もはや嫉妬さえ感じる。そもそも、ここまで高度になると、分析してもそう簡単には私では理解できない。音構造の役割が非常に複雑で、役割だけでは結果としてうんでいる機能を説明できないのだ。4人の、素養を兼ねた天才が集った結果生み出される音楽なのだろう。

さらに、ヴォーカル内村友美さんが作る歌詞は、類似したもののない独特の内容で、音楽的側面から見ても、内容的に見ても相当にレベルは高い。その頂点ともいえるのが13th trackのsea-though communicationだろう。彼女自身の経験から生まれたという、携帯やネットなどのコミュニケーションのありがたさを歌った「ICT賛歌」だ。こうしたものによるコミュニケーションを否定することが正しいとされる風潮の中で、このような挑戦的な内容を堂々と書いたことが、まさにSFPの先鋭さの一端であるといえるのではないか。

つくづく解散が惜しまれる。もっと多くの楽曲を生み出して欲しかった。

About haruka

主宰。
音楽家であり計算機使いであり、ライダーであり声優でもある。

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