児童ポルノ禁止法でTwitterでリツイートした3名が逮捕・補導、言及されないもっと重大な問題点

児童ポルノ禁止法違反ということでTwitterで児童ポルノ画像(のリンク)を含むツイートをリツイートしたとして3名が逮捕された。ネットでは「それだけで逮捕されるのか」「当然だ」というオプションが支配的だが、もっと根本的な問題には言及されていないようだ。

この説明では(というか、報道を見ても)Twitterをやっていない人には、あるいはやっている人でも理解できないであろうことから、説明を入れよう。

TwitterはアカウントごとにHTL/UTLというものがある。HTLは自身のアカウントに固有であり、そのユーザーがfollowしているアカウントの発言(tweets/mentions)とretweetsが見える。ただし、@で始まるmentionで、文頭で書かれたアカウントをfollowしていない場合は見えない。

UTLは自分を含む各アカウントにあり、そのユーザーのtweets/mensions/retweetsが見える。mensionsは外すこともできる。このmensionsはfollowに関係なく、そのユーザーの全ての発言が見えることになる。

followはopenなアカウントであれば自由にできる。「鍵垢」と呼ばれるprivateなアカウントの場合、followされようとするユーザーに申請し、許可が出ればfollowすることができる。privateなアカウントはfollowしていない場合UTLも見ることができない。retweetは、あるtweet/mensionに対してリツイート機能を使うことでretweetとしてマークされる。結果として、UTL及びretweetしたユーザーをfollowするユーザーのHTLに表示されることになる。また、非公式な方法として、単純に元となるtweetをコピペしてtweetする場合もあり、これもまとめてretweet(RT)と呼ばれている。

Twitter(webUIまたは公式アプリ)では画像つきのTweetをすることができる。この場合、画像はTwitterの画像サーバーにアップロードされると同時に、そのリンクを含むtweetが生成される。また、Tweeterが画像投稿をサポートする以前からのレガシィな方法として、他のサイトに画像をアップロードし、リンクを含むtweetをする(サイトがこれを支援する場合もある)という方法もある。Twitterがサポートするサイトであれば、TwitterのwebUI/公式アプリはそれをリンクでなくインラインで埋め込み表示する。

ただ、この画像投稿及び表示はアプリ側の処理であり、TwitterのwebUIまたは公式アプリを使った場合の話である。私はMikutter/V2C/Twiccaを使っているが、このいずれでも画像がインライン表示されることはない。また、TwiccaはTwitterの公式(pic.twitter.com)以外に投稿することもできるようになっている。むしろ公式をサポートするのは遅かった。Twitterはweb以外でアプリ向けのAPIを提供し、多くのサードパーティアプリが存在する。

さて、これが前提となるのだが、今回は:

という前提がないと成り立たないのだが、いつもの「分かってない人が論理を無視して」ではなく、本当にそうであるらしい

前者も結構注目すべきことだ。RTは、140文字という制約上、発言する時に何を指して言っているのかを明示するためにすることも多い。つまり、必ずしも賛同の意味ではないし、それを人に見せることが目的であるとも限らない。だが、それを「(児童ポルノを)発表した」とみなすというのだ。

しかしURIを載せること自体が、というととんでもない話になってくる。画像埋め込みはアプリの仕組みであって、それによって画像が埋め込まれる前提は成立しないのだが、それが誤謬であるという話ではなく、たとえそれがリンクであっても同じだ、ということなのだ。

これはどういうことかというと、その問題を議論すること自体が違法だというのである。何か、例えばyoutubeの動画でも、誰かのtweetでもいいが、それを指して「これは違法ではないのか?」と発言したら、それ自体が違法だとみなされるのだ。。何に対して言っているのか不明なままでは意見にならない。伝わらない以上、ただのひとりごとだ。だが、言及すると逮捕されてしまうのである。もちろん、報道もできない。言うまでもなく、児童ポルノかどうかを判断することは不可能であるため(そのことは散々言われている)、あるポルノグラフィーに言及したら、実はそれが児童ポルノで、犯罪だから逮捕します、ということも起こりえる。実写のポルノグラフィーは常にそのリスクがあると言えるので、「特定のポルノグラフィーに関する言論は違法と思うべきである」という話になってしまう。これは重大な言論規制である。

もっと問題なのは、例えば誰かが児童ポルノで逮捕されたとしよう。だが、その逮捕の原因になったのがなんであったか、ということを示すと違法になる。そのため、「それが本当に児童ポルノだったのか?」「本当に児童ポルノ掲載の事実があったのか?」ということを誰も検証できないのである。報道は常に、警察発表を鵜呑みにしてそれをなぞることしかできない。なぜならば、「何が犯罪とされているのか」ということに言及したら犯罪になってしまうからだ。検証や裏付けができないので、例えば警察が全くそんな事実はないのに「こいつはこんな児童ポルノをアップロードしたんだ」と逮捕し、そのような調書を作って提出した事件があるとしよう。だが、架空の出来事であっても、そのソースを示さないのが「そのソースを示すのが違法だから」と言ってしまえば、その事実があったかどうかを確認する方法がない。根拠や事実を示さないことを正当化する理由になるのだ。

そのような、どのようにでもでっちあげられる、とても恐ろしいことだ。元々日本の司法は根拠を隠したがるので、捏造や魔女裁判が横行しているのだが、もはや「ソースを出してはいけない、議論してはいけない、警察を盲信しなさい」という恐ろしいことになっているのだが、人々はそれでいいのか?

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音楽家であり計算機使いであり、ライダーであり声優でもある。

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